いつもご支援ありがとうございます。 日増しに秋の深まりを感じ、澄みきった青空が心地よい季節となりました。たらちね測定室にも、秋ならではの新米や果物、きのこなどの測定依頼が増えております。これから朝夕冷え込んでまいりますので、体にはくれぐれもお気をつけください。 医療事務員の私からみた、たらちねクリニック私がたらちねクリニックで医療事務職に就き、1年半が経ちました。それまで私は、甲状腺検診を受診する子どもの母親でした。お米や野菜の測定をたらちね測定室にお願いすることもありました。何に気をつければ良いのか、何をしてはいけないのか、そもそも放射能が何なのかさえわかりませんでした。その心配を誰に聞いてもらえば良いのか。 学校で甲状腺検診を受けられるのは、震災当時、福島県在住の子どもが対象でした。私は当時、福島県に住んでおらず震災後に引っ越しをしてきました。そのため、私の子どもたちは学校で受けることができませんでした。不安でいっぱいだった時、たらちねで行われている甲状腺検診を知り受診をしました。「ここでは子どもを診てもらえる」。あの時、とても安心したことを今でも覚えています。 震災後に福島県に引っ越してきて、まだ小さい2人の子を抱え、毎日ただ漠然と不安に過ごしていました。そんな私たち家族にとって、たらちねはとても心強い存在でした。たらちねクリニックに来院される患者さんも、皆さん同じように子や孫を想う方々です。そして、以前の私のように、このモヤモヤとした終わりのない不安を抱えた、お父さん、お母さんたちです。いわき市外、県外からもたくさんのお子さんが来院されています。何時間もかけ、受診に来るお母さんにお会いすると胸がいっぱいになります。心配な症状を、たらちねこどもドックの結果を見ながらお話しし、不安な食材や土壌については、併設しているいわき放射能市民測定室で担当スタッフが説明します。 皆さんお帰りの際は、ほっとしたような、さっぱりとしたような明るい表情です。私のように、たらちねに出会うことで救われるお母さんが増え、また子どもたちが健やかに成長できるよう、これからもスタッフの一員として患者さんのお力になれればと思います。 たらちねクリニックでは、月に2回(第2、第4木曜日)黒部信一先生が診察をしております。東京都にある「すずしろ診療所」所長である黒部先生は、総合小児科医として、これまでたくさんの子どもたちに接してこられました。 今月号では、ある日の黒部先生の診察の様子をお知らせいたします。 今日はKちゃんが1歳半検診で来院しました。半年前の1歳検診にも来院してくれたKちゃん。先生はその時の様子を思い出し、記録を確認しながらどのくらい大きくなったかを診ます。 お腹をモシモシ(たらちねクリニックでは、聴診器をあてることをこう呼びます)する時は人形をKちゃんの見えるところに置き、少しでもKちゃんの緊張を和らげるようにします。またお母さんにも優しく声をかけ、お母さんの安心した声や表情がKちゃんにも伝わる様にしていました。お家での様子もお聞きしながら総合的にKちゃんの検診をし、今日は終了です。 優しく丁寧に話をする黒部先生に安心した様子で、お母さんはいろいろな子育ての心配事を黒部先生にお話されました。お帰りの時は、お子さんもお母さんもニッコリでした。 どうか、子どもたちが無料で「こどもドック」を受けられるように、ご支援いただけませんでしょうか。例えば18,000円のご支援で、1人のお子さんが「こどもドック」を受けることができます。 昨年9月から、藤田院長のコラムが地方紙「日々の新聞」に掲載されています。今回は第5回目のコラムをご紹介します。 ぼくのノオト~(5)自転車と少年ある日、いつも野山を駆けまわっていた少年は、ペンキで青く染められた古い自転車を手に入れた。わが世の春を謳歌する彼は、もっと広く深い冒険の世界にのめり込んでいった。ガタゴトのあぜ道から、急な坂を上ろうとした少年の自転車は、失速し絶妙なバランスを保ったまま後退し始めた。そしてカエルやオタマジャクシが過ごす田んぼに落ち、少年は天敵のマッドマウスと化した。 大人になった少年が奮発して買った五万円の高級自転車は、さすがに頑丈で、なかなか壊れない。二十年乗り続けているそのサビだらけの愛車を、興味ありげに眺めている人がいた。「までい」でしょうと自慢すると、そのおじさんは、こういうのは「までい」じゃねぇ、「ぼっこれ」っていうんだと教えてくれた。 9/10~10/10 たらちねFacebook人気投稿BEST3はこちら! © 2018 たらちねクリニック運営委員会 All Rights Reserved [発行元]
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