知ってほしいことがあります。何らかの症状が出ていれば、18歳以下の福島県民は無料で検査を受けることができます。一方で、症状がない状態での検診には健康保険が適用されないため、18歳以下であっても全額自己負担になります。
日本初の放射能測定室併設型クリニックとして2017年にオープンした「たらちねクリニック」では、通常の保険診療に加えて、子どもたちが無料で受けられる人間ドック=「こどもドック」を運営しています。
被ばくによる健康リスクとしては、甲状腺がんがよく知られています。福島県による2年おきの検診に加えて、たらちねでも毎月の検診を続けており、延べ9,800人以上が参加しています。
一方で、「がん」以外の健康リスクはあまり知られておらず、検診も行われていません。
たらちねクリニックの顧問医師である黒部信一先生によると、「被ばくの影響は全身すべての臓器におよぶ。しかし、肝機能の低下などの機能的な障害はデータに取れない。よって、『がん』という形があるものでデータを取り、発がん率で代表させて健康被害を表現している」のだそうです。
被ばくの影響が身体に表れるまでには、時差があります。チェルノブイリで子どもの甲状腺がんが急増したのは原発事故の5年後、「慢性的に病気」の子どもの数が「健康といえる」子どもの数を超えたのは事故の7年後のことでした。
全身すべての臓器を診てはじめて、被ばくによる健康リスクを正しく診ることができます。そして、原発事故から7年が経過した今がそのタイミングです。
子どもたちに無料検診を。どうか、この取り組みにご賛同ください。
「こどもドック」には、2つの大きな特徴があります。
一つ目は、被ばくという観点から子どもたちの健康を総合的に診断できる、日本で唯一の場所であることです。
こどもドックは、全身の放射能測定と尿のセシウム測定により、被ばくの有無を測ることから始まります。
そして血液検査では、白血球などの通常の検査項目に加えて、甲状腺ホルモン検査を行うことで、放射性物質(ヨウ素やセシウムなど)を取り込みやすい甲状腺の機能に異常が起きていないか、直接確認します。
二つ目は、放射能の影響に不安を抱く18歳以下のお子さんは無料で受診できることです。
症状が出ていない状態での検診であるこどもドックは、大人が受ける人間ドックと同じように保険が適用されないため、通常は全額自己負担となります。
けれども、たらちねクリニックでは、一人でも多くのお子さんにこどもドックに来ていただくため、18歳以下であれば無料で検査をしたいと考えています。
これをお読みいただいているあなたにお願いがあります。
どうか、福島の子どもたちに無料検診をプレゼントするこの取り組みにご賛同ください。そして、ご家族、お友達、お知り合い、このプロジェクトのことを知らせてください。
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「この土地で、安心して子育てしていけるかな、という希望がちょっと出てきました」。無料の検診は、子どもたちの命と未来を守るだけでなく、地元で子育てをするお母さんたちの支えにもなっています。