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トップページ 研究紹介・解説 世界のハチミツの3/4からネオニコチノイド検出  スイスの研究を『世界』2月号で紹介

現在発売中の月刊『世界』2月号(岩波書店)に、スイスの大学の研究者らがまとめた世界5大陸から収集したハチミツに含有されるネオニコチノイド5種(アセタミプリド、イミダクロプリド、クロチアニジン、チアクロプリド、チアメトキサム)198検体の分析結果が紹介されています。調査によると、各大陸において25%の検体から少なくとも1種類のネオニコチノイドが検出され、北米の検体の半数からは3種類のネオニコチノイドが検出されました。検出濃度はいずれもEUの食品残留基準以下ですが、ミツバチへの悪影響が懸念される0.10ng/gを超えた検体は全体の48%に上り、多種のネオニコチノイドによる複合曝露の影響も懸念されます。

同記事の「解題」では、訳者の平久美子医師がネオニコチノイドの特徴や環境影響の深刻さ、人体影響の懸念に関する現状を簡潔にまとめており、ネオニコチノイド系農薬の問題を概観する入門記事としても読みやすい内容です。abt代表理事の星川も、ささやかながら記事の監訳に携わりました。

A.エィビィほか「世界に広がるネオニコチノイド:蜂蜜汚染は警告する」『世界』2018年2月号