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バナナの農薬調査、レインフォレストアライアンス認証からネオニコ
【NPOアジア太平洋資料センター(PARC)】">調査報告書:バナナが降らせるフィリピンの「毒の雨」
バナナの農薬調査、レインフォレストアライアンス認証からネオニコ
【NPOアジア太平洋資料センター(PARC)】

2019年度ネオニコチノイド系農薬に関する企画助成先PARC(NPOアジア太平洋資料センター)が、国内に流通するバナナの大手ブランド三社取り扱いバナナの農薬スクリーニング調査を行ない、結果を公表しました。以下は、その概要です。

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調査では各社及び各レーベルでの傾向を確認するために、大手スーパーなどで流通し、全国で比較的容易に入手できるレーベルを対象としてスミフル社、ユニフルーティ社取り扱いバナナからはそれぞれオリジナルブランド2種とプライベートブランド1種、ドール社取り扱い分からはオリジナルブランド1種とプライベートブランド1種を選定した。

農薬スクリーニング調査の結果、全45検体中、31検体から計9種類の農薬成分が検出された。これら9種のうち7種の成分は3検体以下でしか検出されない稀なものであったが、アゾキシストロビンとクロルピリフォスは他の成分よりも検出頻度が高く、それぞれ9検体、29検体から検出された。

ネオニコチノイド系農薬であるイミダクロプリドが検出されたのはドールの低地栽培レーベルのみであった。これは必ずしもドールの低地においてのみネオニコチノイド農薬が使用されていることを示すわけではないが、他のレーベル36検体では検出されていない。

なお、この結果について特筆すべきなのは、そのレーベルがレインフォレストアライアンスの認証を受けているという点である。レインフォレストアライアンスは生態系の保全などを目的とし、管理された農業生産に対して発行される認証ラベルであり、農薬の使用については厳しい基準が設けられている。そして、検出されたイミダクロプリドを含むネオニコチノイド系農薬については、それら成分が持つ生態系への影響力から禁止していると「Rainforest Alliance Lists for Pesticide Management」(※)に記載されている。ところが、バナナに対しては厳密な管理下に置くことで例外的に使用を認めるとの記載があり、具体的な管理方法が問われる結果となった。
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▼調査報告書:バナナが降らせるフィリピンの「毒の雨」
http://www.parc-jp.org/kenkyuu/2019/banana_poison_rain2020.pdf

なお、PARCは2017年度からフィリピン・ミンダナオ島のバナナ生産現場を訪問調査し、過剰な農薬散布、搾取的栽培契約、労働者の権利侵害など、現地で起きているさまざまな問題を明らかにしてきました。その活動の詳細は下記でご覧いただけます。
▼エシカルバナナキャンペーン
https://www.e-banana.info/

※)Rainforest Alliance Lists for Pesticide Management
https://www.rainforest-alliance.org/business/wp-content/uploads/2017/11/02_lists-pesticides-management_en.pdf