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原発・石炭火力発電が温存され、消費者の負担が増加
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原発・石炭火力発電が温存され、消費者の負担が増加
【eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)】

8月28日、eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)および連携して活動する14団体は、消費者庁と内閣府消費者委員会に対し、「容量市場の見直しに関する要請」を提出しました。

「容量市場」とは、従来の卸電力市場で取引されている「電力量(kWh)」ではなく、「将来の供給力(kW)」を入札により取引する市場ですが、現在、電源は余っており、将来的に電源不足になるという想定は十分に検証されたものではありません。新しい発電所も古い発電所もkWあたり同じ落札金額がもらえるため、すでに建設費などが回収済みの発電所をたくさん持っている大手電力に極めて有利です。原発や石炭火力などの古い発電所をずっと持つ方がお金をもらえ、エネルギーシフトがますます遅れます。要請の内容は次のようなものです。

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【容量市場の見直しに関する要請】

気候危機のいま、再エネと省エネによるエネルギー転換が急務です。ところが、私たちが支払う電力料金によって原発と石炭火力が温存される電力市場が新たにつくられ、2020年度本格的に実施されます。私たち環境団体は、大手電力の寡占化がますます進み、再エネの導入が遅れ、電力自由化が逆戻りしてしまうことを強く懸念しています。

消費者の電力選択の権利、また将来にわたり安全で安心できる環境・くらしを守る観点から、再エネ新電力・再エネに圧倒的に不利となる容量市場を見直すよう、消費者庁・内閣府消費者委員会から提言を行なっていただくよう要請します。

<要請の理由>

1. 古い原発・石炭火力発電が温存され、エネルギーシフトを妨げる
新しい発電所も古い発電所もkWあたり同じ落札金額がもらえるしくみ(シングルプライスオークション)のため、原発や石炭火力などの古い発電所が長期に渡って維持されることになります。原発の温存は安心して暮らせる市民の権利を奪い、石炭の温存は気候危機をさらに加速化させて将来の人類の生存する権利を奪うものです。そして、エネルギーシフトをますます遅らせ、持続可能な再生可能エネルギーで暮らしたいという消費者の権利は損なわれます。

2. 消費者にとって二重払いとなる
容量市場で回収することが想定されているのは初期投資などの固定費ですが、古い発電所は自由化前の地域独占時代に、初期投資などを電気代に算入して回収済みです。そのため、消費者にとっては、すでに払ったものに対して、さらに徴収されることになります。容量市場によって、原発や石炭を温存するために電力料金が上がり、消費者の負担が増えることが懸念されます。

3. 消費者の再エネ選択・電力自由化も危機
大手電力の小売会社は、古い大規模な発電所との直接契約を多く持っています。容量拠出金を支払いますが、その分の値引きも受け、実質負担は大幅に減ります。大手電力の発電会社側での収入もあります。

一方、大規模電源を持たない再エネ新電力は容量拠出金で経営が圧迫され、格差がさらに拡大します。再エネ新電力の消費者には特に不利な制度で、電気料金の一部が、古い原発や石炭火力の維持費に流れてゆくことになります。再エネの導入が遅れ、再エネ新電力の経営も危機となれば、消費者の再エネ選択は大きく妨げられます。大手電力の寡占化が進み、消費者の選択や再エネ導入を意図した電力自由化も形骸化してしまいます。

連名団体:
国際環境NGO FoE Japan、原子力資料情報室、気候ネットワーク、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、市民電力連絡会、環境エネルギー政策研究所、原水禁、パワーシフト・キャンペーン運営委員会、原子力市民委員会、ふぇみん婦人民主クラブ、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン、公害・地球環境問題懇談会、NPO法人コンシューマネット・ジャパン、地球救出アクション97

▼消費者庁に「容量市場の見直しに関する要請」を提出
http://e-shift.org/?p=3881