公正で持続可能な社会づくりをエンパワーする

empowering actions for just and sustainable society

トップページ コラム 【abt徒然草】 #11「それでも戦争に行きますか?」

アクト・ビヨンド・トラスト(abt)のメンバーが、日々感じたことを徒然に綴る「abt徒然草」、第11回目は、代表理事の星川 淳です。

基本的には作家・翻訳家なのだが、2005年末に国際環境NGOグリーンピース・ジャパンの事務局長を引き受け、2010年に退職してすぐにabtを立ち上げた流れで、まとまった著作や訳書を手がける余裕がほとんどなくなってしまった。

それでも、グリーンピース在職中に上梓した『日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか』(幻冬舎新書)、東京電力福島第一原発の複合事故を受け、ネット上で翻訳チームを形成して2年がかりで訳出に取り組んだA・V・ヤブロコフ他著『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店)[1]、そしてこれまで世に出した80数冊の著訳書中、数少ないフィクションの一つである小説第2作『タマサイ』(南方新社)[2]は、自分なりに入魂の仕事だ。

さらにここ数年は、備忘録を兼ねて書き留めるfacebookノートの読書感想文が、わずかに物書きらしい公表物で、いささか歯がゆい。とはいえ、それだけabtの仕事に打ち込んでいて、しばらくはこの状態が続くだろう。

今回は、最近の読書ノートから『日本軍兵士――アジア・太平洋戦争の現実』吉田裕著(中公新書)の感想をご紹介したい。私自身は1952年(昭和27年)生まれだから、戦争を知らない世代だが、歳とともに「戦争体験を直接聞いて育った世代」としての責任を強く自覚するようになった。私より2つ年下の本書の著者にも、戦争という愚行を繰り返させまいとする覚悟を感じる。この読書ノートで関心を持ったら、ぜひ一読を!

[1] http://chernobyl25.blogspot.com/
[2] http://hoshikawajun.jp/