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トップページ 法制度・生産量・製品名 「日本の農薬登録制度」を専門家が徹底解説、初のレポート完成!【4.28 更新あり】

「残留基準値はどうやって決めるの?」、「農薬登録にはどんな試験が必要なの?」――そんな疑問に役立つ冊子『日本の農薬登録制度:その仕組みと背景、問題点』ができました。科学者ネットワーク「ネオニコチノイド研究会」の専門家が丁寧に解説します(abt発行)。

【修正版に差し替え(2017.4.28)】2017.2.22に掲載したバージョンには前書きとなる「はじめに」が抜けていました。申し訳ございません。お詫びして、修正版を掲載いたします。旧版をダウンロードされた方は、下記リンクより「はじめに」を追加してください。

『日本の農薬登録制度:その仕組みと背景、問題点』(PDF)

» はじめに

以下、気になる日本の農薬登録制度の問題点をいくつか、本文よりご紹介します。

「日本の農薬登録制度は、国際的な枠組みとの関わり、いわゆる外圧により成立し進化を遂げてきました。しかし未だ発展途上で、次々と登場する新しい農薬に十分対応しきれていないようです。」

「日本の食品安全の規制は世界一厳しいという人がいますが 、少なくとも農薬登録制度には当てはまりません。」

「農薬の一日許容量の設定法は医薬品の不純物の曝露限度値より緩やかです。(中略)医薬品のように一生涯飲むとは限らない化学物質の曝露限度値よりも、食品や水のように一生涯摂取する化学物質の一日許容量の設定方法が緩やかなことには矛盾があります。」

「(平成22年に厚生労働省により示された文書において)現状のたった2例の結果から、許容幅を恣意的に用いて、農薬残留基準値案を作成することについて、懸念を示しています。(農薬の)生態影響については、さまざまな問題点が指摘されていますが、棚上げされたままです。」

農薬に関する複雑な法律の問題点を理解できる画期的な参考資料です!

ニュースに出てくる用語がわからないとき、地域でネオニコチノイド農薬への対応を話し合うとき、パブリックコメントを作成したいときなど、さまざまな場面でご活用ください。

第1部 日本の農薬登録制度と世界情勢

第1章 農薬とは
第2章 農薬と日本の法律
第3章 農薬の登録や規制、評価に関わる国際的な枠組み
第4章 日本の農薬登録制度

第2部 農薬登録制度の問題点と対策

第1章 ドシエで要求されている試験について
第2章 無毒性量の求め方について
第3章 一日摂取許容量(ADI)と急性中毒基準量(急性参照用量、ARfD)について
第4章 残留基準値(MRL)の求め方について
第5章 曝露評価について
第6章 生態影響評価について

第3部 農薬登録制度のこれから

第1章 農薬のリスク評価法の見直し
第2章 登録後の監視システムの拡充