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トップページ 研究紹介・解説 研究紹介「ネオニコチノイドと有機農産物」

2018年度の助成対象企画「有機農産物摂取による尿中のネオニコチノイド量低減に関する調査研究」(特定非営利活動法人福島県有機農業ネットワーク)の長谷川浩氏が著者の一人である論文「ネオニコチノイドと有機農産物」が『臨床環境医学』に掲載準備中です。この論文は、先に『Environment International』Vol.162に掲載された「Assessment of ameliorative effects of organic dietary interventions on neonicotinoid exposure rates in a Japanese population」のオリジナルデータをもとに新たな解析を加えた考察のほか、日本人の曝露実態と生態系影響について概観し、規制の現状を考察します。有機農産物の摂取によってネオニコチノイド曝露を減らすことができるという研究成果を日本語で読むことができます。

平 久美子,長谷川 浩, Collins Nimako, 池中 良徳「ネオニコチノイドと有機農産物」『臨床環境医学』 32(1) 2023
長谷川浩氏のセルフアーカイブから著者版を閲覧可能です。

(以下、論文抄録を転載)

ネオニコチノイドは生態系影響および発達神経毒性などの健康影響の懸念がある殺虫剤で、多種類の食品および飲料水に残留しヒトの尿から高頻度で検出される。曝露を減らすため栽培にネオニコチノイドを使わない有機農産物の摂取が有望視されている。福島県の有機栽培農家ではない15家庭の10-49 歳の24人(男/女=7/17)に有機農産物(米、卵、野菜、豚肉、麹、味噌)を提供し、摂取開始前3 日間と開始3、4、5 日目の尿中のネオニコチノイド7種(イミダクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、ジノテフラン)と代謝物N-デスメチルアセタミプリド (DMAP)の濃度をLC/MS/MS を用いて測定したところ、チアメトキサム、クロチアニジン、ジノテフラン、DMAP の平均濃度が有意に低下した。主な食品を有機農産物に置き換えることで尿中ネオニコチノイド濃度の低減が期待できる。