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トップページ お知らせ abt、2026年度「スポット助成プログラム」採択企画5件を決定――環境分野の未来を切り拓く萌芽的・挑戦的な企画を支援

PFAS(有機フッ素化合物)の影響、福島原発事故後の課題、離島の生物多様性など、既存の助成枠では支援が届きにくい5つの取り組みに計120万円を助成

公益社団法人アクト・ビヨンド・トラスト(所在地:東京都世田谷区、代表理事:星川淳、以下「abt」)は、2026年度「フェーズシフト部門スポット助成プログラム」の採択企画5件を決定しました。本プログラムは、abtの既存3部門にとらわれず、環境課題の具体的な解決に向けた萌芽的・試行的な取り組みや、社会的緊急性の高い取り組みを機動的に支援するものです。2026年度は5件に総額1,200,000円を助成します。

◾️背景:大きな助成の「すきま」にある、いま取り組むべき課題を支える

環境課題は、必ずしも既存の研究分野や活動領域の枠内だけで生じるものではありません。十分な基礎データがなく研究費を得にくいテーマ、社会的な緊急性は高いものの大規模助成の審査スケジュールでは対応しにくいテーマ、既存分野を横断するため活動資金を獲得しにくい取り組みがあります。

abtは、オーガニックシフト、エネルギーシフト、東アジア エコ&ピースシフトの3部門を中心に助成を行なう一方、こうした「すきま」にある課題を支えるため、2016年度から「スポット助成」の試験運用を開始しました。2025年度からは公募型の「フェーズシフト部門スポット助成プログラム」として再編し、1件30万円を上限に、簡易な申請書式とスピーディな審査を特徴とする助成を実施しています。

2026年度は第1期公募で5件を採択し、助成予算の上限に達したため、第2期募集は実施しません。今回の採択企画は、昆虫相の基礎調査、福島原発事故をめぐる記憶と社会的継承、放射性セシウム汚染の長期モニタリング、PFAS汚染の市民科学による調査・浄化試験など、多様なテーマにまたがっています。

■ 2026年度助成プログラム概要

プログラム名フェーズシフト部門スポット助成プログラム
助成対象期間2026年度(1年以内の任意の期間)
採択件数5件
総助成額1,200,000
通算実績2016年度より11年間、通算39件・約1130万円(2024年度までは試験的に推薦制の非公開プログラムとして実施、2025年度より公募化)

プログラム詳細:https://www.actbeyondtrust.org/program/spot/

■2026年度 採択企画一覧

採択者/団体企画名助成額
千葉県立中央博物館御蔵島の昆虫を調べ、伝える-ファウナ調査および博物館における教育普及事業-100,000円
一般社団法人反貧困ネットワーク3.11 福島原発事故の継承と復興PRへの抵抗を考える フィールドワーク200,000円
中里亮治帰還困難区域の森林小河川におけるサケ科魚類の放射性セシウム汚染実態と実測値に基づく将来減衰予測~地元の内水面漁業再生に向けて~300,000円
平島宗一郎広島県内における有機フッ素化合物(PFAS)汚染の実態調査-市民科学からの挑戦300,000円
辻野兼範三方原台地のPFASの実態調査と浄化試験の実地300,000円

■事務局総評

今回の採択企画には、本助成が支援を意図する「通常の助成では拾われにくいが、いま取り組む意味のあるテーマ」が集まりました。御蔵島の昆虫相を明らかにする基礎的な調査、福島原発事故の経験を次の世代へつなぐフィールドワーク、帰還困難区域の河川魚類に残る放射性セシウム汚染の長期的な検証、広島県と三方原台地におけるPFAS汚染の調査と浄化への試み――担い手も、博物館、研究者、市民科学者、困窮者支援に取り組む若者たちなど多様です。いずれも、既存の制度や調査だけでは十分に光が当たりにくい領域に、それぞれの立場から踏み込む企画です。少額であるからこそ機動的にスタートできるスポット助成の特性を活かし、得られた知見やつながりが、次の調査・政策・活動へとつながっていくことを期待しています。

採択にあたってのコメント

採択者・団体に、助成期間に力を入れたいことや企画の注目ポイントを聞きました。コメントは内容を変えない範囲で一部の表記・句読点を整えています。

千葉県立中央博物館

《助成によって解決したい課題》
御蔵島の昆虫相にはなお未解明な点が多く、島の自然史を理解し、生物多様性を保全するための情報が十分ではありません。野外調査によってその空白を埋めるとともに、得られた知見を広く共有し、御蔵島の自然への理解を深めることを目指します。

一般社団法人反貧困ネットワーク

《企画の「ここに注目してほしい!」ポイント》
フィールドワークを通して、脱原発運動に長年関わってきた活動家や伝承者の声を記録するだけでなく、参加する若年層の活動家や当事者が、分野を横断してつながり、活動を展開していきます。原発事故を福島で経験していない若者たちが、どのようなナラティブを作っていけるかご注目ください。

中里亮治

《企画の「ここに注目してほしい!」ポイント》
2015年から11年間蓄積した実測データをもとに、魚類の放射性セシウム濃度がいつ食品基準値を下回るのかを予測する点です。汚染の実態把握にとどまらず、地域の漁業や渓流釣りの再生に向けた科学的判断材料を提供します。

平島宗一郎

《企画の「ここに注目してほしい!」ポイント》
本企画は、地域住民のローカルナレッジを活用して調査地点を選定する他、既存の調査データ(地域団体・行政機関等の調査結果)を含めて解析・考察を実施する等、地域の多様なステークホルダーと協働的に推進し、最終的に学術論文の形式での一次情報化を目指します。

辻野兼範

《企画の「ここに注目してほしい!」ポイント》
① PFAS土壌マップを公開するので、見ていただきたい。
② 循環式活性炭浄化システムの開発者は、このシステムでPFAS浄化に貢献することを強く願っています。実現に向けて取り組み、その結果を出すことに注目していただきたい。