公正で持続可能な社会づくりをエンパワーする

empowering actions for just and sustainable society

2024年度事業報告

(2024年3月~2025年2月)

 

コロナ禍の終息も束の間、気候変動の激化と、ウクライナに加えてガザでの戦火、そして米国における2期目のトランプ政権誕生が世界を揺さぶる中、abtは助成を軸とする中間支援組織の長短両面に目配りしながら、引き続き設立以来の戦略課題である「市民活動の環境醸成」と「問題解決への触媒役」に努めた。公募助成は1部門で4件、企画助成は2部門で4件、試験運用の最終年となるスポット助成で1件の支援を行なった。

abtの運営

  • 主要3部門の公募助成と企画助成、および3部門に捉われない少額スポット助成の試験運用という従来の事業構成に加えて、オーガニック給食推進に向けた公募助成を新設する一方、設立10周年をきっかけにスタートした連続企画Future Dialogueを2回、ネオニコ公募の成果報告会を1回、会員制のactyワークショップを9回、同ワークショップから派生した「知恵の環(わ)」を含むその他の公開イベントを4回開催した。
  • さらに、公募によるネオニコ問題DVD上映会支援(35件)、ネオニコ問題の独自note連載「オーガニックくえすと」準備、前年度および前々年度に続くエネルギーシフト部門の自主企画2件を進めたほか、岩波ブックレット『ネオニコチノイド 静かな化学物質汚染』(平久美子著)の刊行に協力した。その傍ら、ネオニコチノイド系農薬問題部門では助成戦略の更新、東アジア環境交流部門では新たな助成戦略の策定に取りかかった(いずれも確定は2025年度の予定)。
  • abtウェブサイトの「助成先活動情報」とFacebook発信(年間197本)、2024年度内に第11~22号まで刊行したメールマガジン「abt news」を通じて、助成先の企画実施状況や告知情報をタイムリーに伝えた。また、abtのYouTubeチャンネルには各種イベントの動画をアーカイブするとともに、過去に公開した独自コラム群(「NGOの文章術」「abt徒然草」「絵本の中の生きものたち」)のnote転載をスタートした。
  • (公財)信頼資本財団の「共感助成」認定団体登録を継続し、寄付者に税控除の利点を提供しつつ、公益社団法人への移行準備に着手した。5年計画の2年目に入った独自FR事業では、新たなランディングページを開設するなど直接寄付の受け皿遺贈寄付を含む)を拡充するとともに、オーガニック給食推進の公募助成原資を募るクラウドファンディングにも挑戦した。

【実施経過】

2024年3月 2024年度「ネオニコチノイド系農薬に関する企画」公募助成は、オンラインによるプレゼンテーションと二次選考を経て4件採択。2024年度企画助成は、エネルギーシフト部門4 件、東アジア環境交流部門1件(エネルギーシフト部門とまたがる)採択。
4月 2024年度の各助成先において企画実施スタート。2023年度の助成先から最終報告書と収支報告書の提出。2024年度第1回理事会開催。
5月 2023年度「ネオニコチノイド系農薬に関する企画」公募助成件の成果報告会を開催。定時社員総会で2023年度事業報告および決算報告を承認。2024年度第2回理事会開催。
6月 2023年度事業報告決算報告を公開(全助成先の最終報告および収支報告と共に)。
7月 公益社団法人への移行準備開始。新設するオーガニック給食推進助成の選考委員と初の意見交換。
8月 東アジア環境交流部門の助成戦略策定会合、およびネオニコチノイド系農薬問題部門の助成戦略更新会合開催。
9月 Future Dialogue第9回「能登半島地震を受けて、原発立地地域における避難計画の実効性を問い直す」開催。abtの2024年度中間レビュー作成。
10月 ランチタイムイベント「菅野奈穂さんにオーガニック給食の“いま”を聞いてみよう」開催。acty発【知恵の環(わ)】第ゼロ回開催。2024年度助成先から中間報告書提出。2025年度事業計画に向け理事会+スタッフ合同リトリート開催。
11月 助成3部門の審査委員と2025年度の助成方針など意見交換。2025年度暫定事業計画&予算案策定。オーガニック給食推進助成の公募開始。
12月 acty発【知恵の環(わ)】第1回開催。2025年度公募助成3部門(ネオニコ+エネルギーシフト+東アジア)の応募受付開始(ただし、公益社団法人への移行を前提に、部門名と助成プログラム名を再整理)。オーガニック給食推進助成の公募締切。寄付月間賛同イベントabt年忘れオンライン交流会開催。
2025年1月 Future Dialogue第10回「新刊『ネオニコチノイド 静かな化学物質汚染』の著者に聞くネオニコの問題点と脱ネオニコ戦略」開催。第3回理事会開催。2025年度公募助成3部門(12月に応募を締め切ったオーガニック給食推進助成を除く)の応募締切。
2月 2025年度公募助成4部門の審査開始。abtの2025年度事業計画&予算案を確定し、年度末の第4回理事会で承認。

【abtが直接・間接に関わった主な記事と出版物、時系列順】
(助成先の企画実施年度に合わせて2025年3月分まで含む)

※この他、abtのFacebookページから2024年度にシェアを除く投稿記事197本(内、ネオニコ部門73件、エネシフ部門25件、東アジア部門4件、abtからの独自発信95件)

ネオニコチノイド系農薬問題部門

エネルギーシフト部門

東アジア環境交流部門